ジムを辞めた理由と、“ちょうどよく育てる”という選択
6年間通ったジムを辞めた。
ベンチプレスは110kg。全身もパンプしていたし、着る服にも困らないくらいの体にはなっていた。
でもある日、ふと気づいた。
「このまま筋肉をつけすぎたら、俺の育てたいデニムが入らなくなるかもしれない」
手元には、まだ一度も洗っていないリジッドデニムのセットアップがある。
Gジャンもジーンズも硬く、無垢な状態。クセも色落ちも、これから入っていく。
この一本と一着を、自分の体と動きでじっくり育てていくために、僕はジムを離れ、家で鍛えることを選んだ。
筋肉もデニムも、“ちょうどいい”を目指して育てていく。
大腿四頭筋は、“脚の表情”を作る筋肉
今回ターゲットにしたのは、大腿四頭筋。
太ももの前側にある、脚の中でも特に大きな筋肉だ。
そしてここは、デニム育成において重要な「ヒゲ」や「ハチノス(膝裏のアタリ)」が刻まれる部位でもある。
スクワットでヒザを曲げる。
ブルガリアンスクワットで太ももに負荷をかける。
動きに合わせて、ジーンズのヒザとモモが折れ曲がり、テンションがかかり、クセが刻まれていく。
大腿四頭筋を鍛える動き=デニムに“立体感”を与える動きでもある。
僕が試した「家トレ式・大腿四頭筋トレーニング × デニム育成」
▶ ノーマルスクワット(ヒザと太ももの“折れグセ”を作る)
- 足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばす
- お尻を後ろに引きながら、ヒザを曲げてしゃがむ
- 太ももが床と平行になるあたりで止めて戻す
育成ポイント:
ヒザを曲げるたびに、ジーンズのヒザ部分に深い折れグセが入る。
繰り返すことで、それがヒゲやアタリの種になっていく。
▶ スロースクワット(シワを“染み込ませる”)
スクワットの上下動を、3秒ずつのスローペースで行う。
効果実感:
動きがゆっくりだから、筋肉への負荷も、ジーンズへのテンションも強くかかる。
ヒザ裏や腿に入り始めた細かいシワが、少しずつ定着していく。
▶ ブルガリアンスクワット(左右にアタリを分ける)
- 後ろ足を椅子に乗せて、片足ずつスクワット
- 前足で体重を支えながら、ゆっくり上下する
育成ポイント:
片足ずつの動きが、左右それぞれに独立したクセを作ってくれる。
太ももの内側と外側で、生地の表情に差が出るのが面白い。
▶ 壁スクワット(静止の中でアタリを刻む)
90度の角度で壁にもたれ、30〜60秒キープ
地味にキツイけど、効く。
そして不思議なことに、動かないのにジーンズにはテンションが残っていく。
筋肉とジーンズが“同時に育っていく感覚”
足が張ってくると、デニムの太ももにも張りが出る。
汗をかくと、生地がほんの少し柔らかくなって、シワが残りやすくなる。
筋肉を使うことで、ジーンズの表情が変わっていく。
「体の変化が、服の表情にそのまま現れる」
それがこのセットアップで家トレする醍醐味だ。
まとめ|脚を鍛えることは、ジーンズの立体を彫刻すること
大腿四頭筋を鍛えると、ヒザ、太もも、そしてヒザ裏までが動き出す。
それはまるで、デニムに“動線”を刻んでいく作業みたいだった。
履くたびに形が変わる、見た目が深まっていく。
そんな一本に育てたいなら、脚トレは絶対に外せない。
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