人は不足から学び、発想を得る|気づきシリーズ#3

人は「足りない」と感じたときこそ、

学び、工夫し、成長するのだと、私は思います。

そのことを強く実感したのは、高校生の頃でした。

きっかけは、ある一台の自転車——Amazonで見つけた、一番安いロードバイクです。

憧れと、がっかりから始まった自転車との時間

当時、友人がかっこいいロードバイクに乗っていて、私も憧れて同じようなものが欲しくなりました。

けれど学生のお小遣いでは高級モデルなど到底手が届かず、Amazonで一番安いロードバイクを購入しました。

届いたときのワクワクも束の間。

いざ友達の自転車と比べてみると、ギアの切り替え方も全然違うし、パーツのグレードも低く、見た目もどこか野暮ったい。

「こんなはずじゃなかった」と思いましたが、後戻りはできません。

だから私は、その“残念なロードバイク”を、少しでもかっこよくしたい一心で、勉強を始めたのです。

「ない」からこそ、知識と技術が育った

パーツの名前、構造の仕組み、必要な工具……

毎日のように調べ、自転車屋に通い、アルバイトで稼いだお金で必要なものを少しずつ揃えていきました。

最終的には、自分でバラバラにして、フレームから組み直すところまでできるようになったんです。

高校生にしては、なかなか本格的だったと思います。

でも——そんな“素人作品”はやっぱり壊れてしまいました(笑)。

その後、親に新しい自転車を買ってもらったのですが、そのときにはもう知識があるので、

予算内でコスパの良いモデルを選び、納得のいく買い物ができました。

不思議なことに、その自転車にはほとんど手を加えませんでした。

満足してしまったんです。

そして、自転車への情熱はいつの間にか、ふっと消えていきました。

不足がなければ、得られなかった“知恵と好奇心”

この経験を振り返るたびに思います。

もし最初から完璧な自転車を買っていたら、私はきっと、自転車の構造も、工具の使い方も、自分の手で組み立てる面白さも知らずに終わっていたでしょう。

「不足しているからこそ、人は考え、工夫し、学びを得る。」

この気づきは、今でも私の中に深く残っています。

足りないことは、時に不安で、悔しくて、恥ずかしいと感じるかもしれません。

でも、その“不足”の中にこそ、成長の種が眠っているのだと、私は信じています。


■ 今日の小さな問いかけ

あなたがかつて「足りなかった」ことは、どんな学びをくれましたか?


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